


はるおの職場では、仕事毎にメンバーを集めることが多いので、たまに若いイケメンが参加することがあります。
仕事柄、年齢層は若めなのです。
数年前にやってきたのは、ハーフのイケメンでした。
同じ仕事をしていたわけではないので、そこまで人となりを理解できたわけではありません。
それでも、人懐っこくてお調子者で、爽やかな感じがしました。
たまぁに、ぼそっと話すことが面白かったものですから、飲み会でもあったら掘り下げてみようと思っていました。
しかし、はるおはその頃、2歳と4歳の育児の真っ最中でしたから、イケメンがいるからといって、ワクワクしている余裕などなかったのです。
金曜日の夜のことでした。はるおはいつも通りクタクタです。
普通なら、週末に向けてテンションが上がるところですが、2歳と4歳が一日中家にいる環境は仕事と同じくらい大変なものなのです。
「ご飯はどうしようかな」「週末に皮膚科は行かなくていいかな」「保育園のグッツで買い足さなきゃいけないものはないかな」等、考えることはたくさんあります。
そんなときエレベーターホールで「はるおさん!」と声をかけられました。
その時エレベータホールには誰もおらず、イケメンハーフ君とはるおの二人だけでした。
はるおは通常通り「お疲れちゃん!」という準備をしていたところです。
イケメンハーフ君は「良い週末を!!」と声をかけてくれたのです。
はるおは想像と違った言葉に、少し驚きました。
そして、すごく楽しい気分になって大笑いしてしまったのです。
「ありがとう!そっちもね!」と言ってはるおはエレベーターに乗り込みました。
はるおは人生で初めて「良い週末を!」と言われた気がします。
こういうことをさらっと言えることっていいことだなと感じました。
誰に言われても嬉しい言葉だと思うのですが、さらっと言えるのは彼がイケメンだったことも原因かもしれません。
イケメンという素晴らしい才能に恵まれた彼は、比較的容易にたくさんの人に受け入れられたのかもしれません。
自分に自信があり、相手に伝えたいことがあれば、ためらわずにいうことができるのです。
そして、疲れ切ったはるおにうるおいを提供してくれたのです。
今のはるおは、若い頃よりもイケメンっていいなと思うようになったのでした。
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