スマートモテリーマンになりたかった‥

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しまお君は、女子にモテたいという願望を持っていたのです。

しまお君は同期とともに、スマートモテリーマンになるべく、修行を始めたのでした。

修行の成果もあって、しまお君はパッと見スマートで優しげな人に見えるようになったのでした。

スマートモテリーマンは、駆け込み乗車をしません。

急げば間に合ったとしても、急いで電車に乗ることはしません。スマートモテリーマンはホームを走ったりしてはいけないのです。

仮にはるおが急いでいたとしても、自分のペースを崩さない、それがしまお君。

そして、誰に対しても親切に接します。もともと他者と接することのハードルの低い優しい人なのでした。

しかし、長年付き合っているはるおには、詰めの甘いしまお君が見えているのです。

ある日、しまお君と電車に乗っている時のことです。

しまお君はおもむろに、傘をベルトに引っ掛けたのです。

両手があくから便利なのはわかりますが、モテリーマンはそんなことしてはいけません。

はるおは、それはモテリーマンじゃないよと教えてあげました。

また、しまお君は洋服や鞄などの細かいところがボロボロなのです。

長く一緒に仕事をしているはるおにはわかっているのです。

机の横にチョンと置かれた鞄の持ち手は、ボロボロなのでした。

鞄自体もシンプルで一般的な形ではありますが、安物ですので、合皮の持ち手部分がボロボロになっているようでした。

さらに、会議室でPCを操作するしまお君の手元を見ると、袖口はホサホサしちゃっています。

そーゆーところだぞっとはるおは思うのでした。

このようにしまお君は、至る所で詰めが甘いのです。

にもかかわらず、自分はスマートモテリーマンとして精進していると言うものですから、はるおは意地悪をしてやりたくなったのです。

「君は、びんぼっちゃまのような人間だな」と伝えてみました。

「前だけ美しく繕って裏側は裸じゃねーか」と。

まぁ、これは言い過ぎなんですけどね。

でも、我ながらうまいこと言ったなぁ〜と、気に入っている言葉なのでした。

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